JLINE NOTE
Jリーガーの履歴書
先日Twitterにて、私がJリーグを引退して転職活動を行なった際の履歴書を公開してみた。
私は現在、
「Jリーガーがキャリアを通じて輝き続ける社会を創造する」
をビジョンに掲げ、株式会社アスリートバリューという会社を経営している。
具体的には現役の間に競技(サッカー)以外の環境に触れる機会を創り、「スムーズにキャリアチェンジできるようにしましょう」というカリキュラムを現役選手と共に創っている。
キャリアチェンジと言うと賛否あるかもしれないが、私はこの取り組みが選手の競技力アップにも繋がると信じているし、証明していく必要があると考えている。
さて、カリキュラムに関する良し悪しは置いておいて、カリキュラムの内容を考えるなかで、私自身の経験を振り返ることがカリキュラムを作る上で重要なポイントになるのでは?という話になり、昔のデータを探し出してきたのが今回の投稿に至ったきっかけだ。
当時31歳、大学時代の就活経験もなく、履歴書を書いた経験は大学時代にバイトした時くらい。大卒で就職する人のように、業界研究や自己分析なんかもやったことがない本当に無知な状態のものだ。
皆さんはこの履歴書を見てどう感じるだろうか。
ありがたいことにTwitter上では嬉しい言葉をいただくことが多かった。
しかし、一企業人事、採用担当として、はたまた経営者として、この履歴書を見た時にどう感じるだろうか?
面白い経歴だから会ってみたいと思うかもしれないが、31歳いわゆるビジネスマンとしての経験がない人材を採用しようと思う企業はなかなかいないのではないだろうか。
実際に私の記憶では、20社くらい履歴書を送って書類通過したのは5社くらいだった記憶もある。
アスリートはビジネスにおいてもポテンシャルがある可能性があると言われても、その土台(サッカー界以外)に乗ることさえも困難なのが現状。付け焼き刃かもしれないが、この履歴書に、具体的にビジネスにおける経験を書き足すことができたらサッカー界以外に出られる可能性はグッと広がるのではないか。
それが実現できたら、サッカー界以外でも輝ける選手を増やすことができるのではないか。
いや、私がその掛け橋にならねばならないと考えている。
履歴書に経験を加えるというのは手法論かもしれないが、まずはやってみて、少しでも選手のキャリアの選択肢を広げられるように動いていこうと思う。
少し話は逸れるが、先日、とある友人と話をしていて、なるほどなと思ったことがある。
その友人は大学サッカー出身でいわゆる大手の企業に勤め、エリートビジネスマンとして生活している。
そんな彼が、
「大学時代に一緒に部活動に励み、ピッチ上であれだけ輝き、Jリーガーになって活躍していた人材が、引退後に苦労しているのはとても悔しいしもどかしい。サッカーという競技力だけでなく、プロになる人は人間としても尊敬できる部分がたくさんある。これはビジネスシーンでも必ず活かせるし、活躍できるポテンシャルは間違いなくある。ただ最初に選んだ環境が違うだけなんだよ。ただビジネスの経験がないだけなんだよ」
こんなことを言っていた。
この話だけで結論を出すわけではないが、いわゆるエリートサラリーマンがこのように感じるということは、やっぱりJリーガーにはサッカー界以外でも活躍するポテンシャルがあるのだなと思ったし、努力するフィールドが違っただけなんだなと思った。
とはいえ、それを実証できているわけでもなく、その土台にすら立っていないのが現状なので、まずは、実績を作っていくことが大事なことも理解している。
そして、問題は多く存在しているが、1つ1つクリアしていき私の会社のビジョンである、
「Jリーガーがキャリアを通じて輝き続ける社会を創造する」
を実現すべく精進していこうと思う。