JLINE NOTE
サッカー界の未来のために vol.1
先日、町田ゼルビアのホームゲームのイベントに参加させていただきました。
その際に、多くのファンサポーターの方々と交流する機会があり、「元気にやってるね」や「今何をやっているの?」といった多くの声をいただきました。
その中で、私は自身の会社を設立し、現役Jリーガーのキャリア支援を行っていることをお伝えしましたが、もっと詳しく多くの人に知っていただきたい、サッカー界全体にセカンドキャリアの現状や私たちの取り組みを知ってもらいたいと思い、この記事を書くことにしました。
Jリーガーのセカンドキャリア問題のない社会を作る
私たちは
「Jリーガーのセカンドキャリア問題のない社会を作る」
というビジョンのもと現役Jリーガーのキャリア支援を行なっております。
しかし、これはあくまでも手段の一つであり、この問題を解決することにより、サッカー界の未来を明るいものにしていきたいと考えております。
社会問題として取り上げられることが多いセカンドキャリア問題。
セカンドキャリアの心配があるから安心して子供にJリーガーを目指そうと言えない、Jリーガーになるよりも普通に就職した方が将来安心だと考える人が多く存在しているのが現状かと思います。
私はその現状がとても寂しいです。
先日のイベントに参加して改めて思いましたが、Jリーガーって本当に最高の職業だと思います。
自分が大好きで続けてきたサッカーという競技を通じて、本当に多くの人の感情を揺さぶることができ、引退して時間が経ってからも気にかけてくれる人がいる。こんな職業は他にはありません。
しかし、こんなにも素敵な職業を、セカンドキャリアが不安だからという理由で諦めてしまう現状が本当にもったいないし、悔しいです。
とはいえ、私自身もサッカーをやっている息子がいますが、正直、Jリーガーを目指そうと心の底から言えないのが現状です。
実際に中にいたからこそ、余計にそう思う気もします。
だからこそ、この「セカンドキャリア問題」解決したいと思いますし、社会的にも解決するべき問題だと思っております。
セカンドキャリア問題が起こっている原因は「知らない」こと
では、なぜセカンドキャリア問題が起こるのか?
これにはいくつかの原因があると思いますが、私たちは「知らない」という一言に集約できると考えています。
大きく分けると2つの立場、現役Jリーガーとそれを受け入れるサッカー界以外の社会から考えてみます。
Jリーガーの立場から考えてみる
まずは現役Jリーガーの立場、、、
その前に社会人の皆さんに質問です。
皆さんは就職活動をする際にどのようなプロセスを辿りましたか?
おそらく、自己分析、業界研究、OB訪問といったステップを踏んできたのではないでしょうか。
自分自身を知り、社会や業種について理解を深め、具体的にその会社でどのような仕事が行われているのか、どのような人が活躍しているのかを知ることが、適切な就職活動の一部です。
このプロセスを経ることで、ミスマッチを防ぎ、自分がその環境で働いて活躍できるかどうかを具体的にイメージすることができるのではないかと思います。
しかし、現役Jリーガーの場合、この「知る」という機会がほとんどありません。
契約解除の通知は年末の11月や12月に行われ、その後すぐに次のキャリアを考えなければなりません。
特にJ2やJ3の選手にとっては、早急に次の就職先を見つける必要があり、十分な自己分析や業界研究を行う時間がないのが現状です。
そのため、「知らない」状況のまま知り合いの紹介や転職エージェントに頼ることが多く、浅い自己分析と限られた情報で就職先を決定することになります。これが、就職後のミスマッチや早期離職の原因となっているのです。
また、これは、サッカー界に残る選択をする方にとっても同じことだと考えています。
サッカーを好きでJリーガーになった選手達。
しかし、フロントや強化部、指導者として生活していくことは、選手として生活することとは全然別物です。
しっかりその職業について理解(目の前の業務や将来のキャリアパスなど)した上で、次のキャリアを選択することがとても大事だと考えています。
サッカー界以外の立場から考えてみる
では次に、Jリーガーを受け入れる側のサッカー界以外の社会の立場で考えてみてください。
もし、あなたが企業の経営者や人事担当者であった場合、22歳の新卒の若い学生と、30歳を過ぎた現役Jリーガーのどちらを採用したいと思いますか?
多くの人は、新卒の若い学生を選ぶでしょう。
なぜなら、現役Jリーガーがどのような強みを持ち、どう活躍できるかのイメージが湧かないからです。
この問題の根本には、「知らない」という要素が大きく関わっています。
企業側は、Jリーガーの持つポテンシャルやスキルを知らず、彼らをどのように受け入れ、活躍させられるかが分からないのです。
このように、Jリーガーの立場の「知らない」とJリーガーを受け入れる側の「知らない」が絡み合って、セカンドキャリア問題を複雑なものにしているのです。
私たちは、まずはこの「知らない」を変えていくことにフォーカスを当てつつ、いくつかの事業を通じて、Jリーガーのセカンドキャリア問題を解決していき、サッカー界の未来を明るいものに変えていきたいと考えております。
次回、私たちが具体的に取り組んでいることについて書いていこうと思います。