INTERVIEW

INTERVIEW
2023.04.28

【第一話】前例のないチャレンジ

渡部 博文|レノファ山口代表取締役社長

PROFILE

渡部 博文|レノファ山口代表取締役社長 hirofumi_watanabe

山形県長井市出身。株式会社レノファ山口代表取締役社長、株式会社ESPORTES代表取締役社長。柏レイソル、栃木S C、ベガルタ仙台、ヴィッセル神戸、レノファ山口FCにて合計13年Jリーガーとしてキャリアを積んだ。引退後すぐにクラブ代表に就任するという異例のキャリアを歩んでいる。

渡部 博文|レノファ山口代表取締役社長

PROFILE

渡部 博文|レノファ山口代表取締役社長 hirofumi_watanabe

山形県長井市出身。株式会社レノファ山口代表取締役社長、株式会社ESPORTES代表取締役社長。柏レイソル、栃木S C、ベガルタ仙台、ヴィッセル神戸、レノファ山口FCにて合計13年Jリーガーとしてキャリアを積んだ。引退後すぐにクラブ代表に就任するという異例のキャリアを歩んでいる。

第一印象でインパクトを残すことを意識していた

ー早速ですが、2022シーズンで引退されてすぐにレノファ山口の代表取締役社長に就任された経緯について教えてください。

2022年9月に引退を発表し、その時にレノファ山口の当時の社長である小山さんに挨拶に行った際、今後どうするかと尋ねられました。その時、福祉事業や新しいことに挑戦することを考えていると話したところ、社長になってみないかとオファーを受けました。最初は冗談かと思っていたのですが、プレゼン資料まで用意されていて、本気で考えていることを悟りました。

ーそれまでクラブについて話す機会があったわけではない中でオファーをもらったと聞いたのですが、これまでに何か特別な印象を与えていたのでしょうか?

特別な話をしたわけではないのですが、初対面の人に会う時にどれだけインパクトを残せるかというのは心掛けていて、特に難しいことではなく、自分から挨拶に行くという当たり前のことをやっていました。それに対して、爽やかな笑顔で挨拶来てくれたことが嬉しかったと。あとは、S N Sでの発信を通じてパーソナリティの部分がつたわり、人となりがわかった上でオファーを頂いたのかなと思います。

ーまず挨拶。確かに大事ですよね。他の選手と差別化されるくらいの挨拶、ぜひ見てみたいです!!笑
インスタなどでかなり発信していたと思うのですが、何か特別な目的があってやっていたのですか?

別に引退とかはその時考えてなくて、ただ、自分のSNSの活動として、サポーターにもっと身近に感じてもらいたい、今どういう風に感じているか、自分のその時の心境とかっていうのを短い動画でなるべく頻度高めに更新できたら、どんな変化が起きるのかなと思って、ちょっと試していました。

ーなるほど。やっぱり、どこのクラブでもかもしれないけど、コロナの影響もあってサポーターの方との距離感は遠いなと感じていたんですかね。

それは感じていましたね。なかなかイベントもなかったし。だからこそ、選手を写したりすることもあったし、あとは20秒とか25秒ぐらいだったけど、毎日やることで、自分の喋りのトレーニングにもなった。それも含めて、ちょっとやってみたっていう感じですね。

他の選手では経験できないからこそのチャレンジ

ー社長のオファーを受けると決めた理由はどんなものですか?

こんなオファーをまずそもそも頂けないだろうって思ったこともあるし、あとは今まで自分が13年間やってきて各所属クラブに対する思いとか、もっとこうした方がマネジメントうまくいくんじゃないかなって思っていた部分があって。でも思っていただけで実践したことはなかったから、実際に中に入ってみたらどうなんだろうっていう好奇心があった。

後は就任する前に売り上げ規模とかをJ1とJ2全部見てみたら、こんなに格差あるんだと思って。でもこれって、地方クラブでJ1に上がるストーリーを作れたら、めっちゃ面白いじゃんと。ある程度出来上がっているチームに入るよりも、自分がこの地方クラブでなかなか体制が整ってない状況で何かを変えることができたら、こんな面白い人生歩める人いないだろうと思ったっていうのが大きいかもしれないです。

ー好奇心と、そもそもこのオファーもらえる選手はいないっていうのが大きな理由なんですね。いざその就任のオファーを受けて、働き始めてちょうど1カ月ぐらい経ちますけど具体的にどんな業務をメインで行なっていますか?

営業やスポンサー回りの挨拶など外で行う仕事。社内のミーティング、例えばファンクラブや事業の売り上げに直結するところの構成や仕組み作りなどの仕事。大きく分けたらこの2つをやっています。

ー仕事の中で難しいと感じていることはありますか?

そうですね。難しいと思っていることはないのですが、営業は初めてなので、どんなニーズがあるのか、そして自社の商品をどう活かすか、求めていることやニーズに対して満足できるような商品を提供できているかという点で、認識のズレがまだまだあると思います。それが今の課題だと思います。

ースポンサーやパートナーになってくれた企業さんたちのニーズを理解するのはかなり難しいのではないですか?

難しいです。でも、どの企業も求めていることって、集客とPRと、どういうマーケティングができるかというところがほとんどメインで、あとの経営とかファイナンスのところって内部の話だから、こちらが関われることではないというか。なので、サッカーチームと関わることで、福利厚生を活かして企業をよりPRできるとか、離職率を下げるとか、そういうことに繋げることができそうだと思ってもらい、それを魅力的な商品として活かせるか、それが大事だと考えています。

ーもちろんその場で考えるのも大事ですが、アポに行く前に綿密に企業のことも理解しないとそれをやるのは難しいですよね?

本当にそうです。今まで企業理解とかもやったことないし、ホームページ見ても理解しきれないことも多いです。そして、同時進行でレノファの商品とか魅力というのを知ることも大事だし、相手の企業をどれだけ知ってそこに添えられるかっていうのも大事にしています。

ー社長として働き始めて1ヶ月、選手の時の経験が生きているなって感じることはありますか?

理想のチーム像とか、こういったビジョンがいいなっていうのは元々あったから、それをより細かく自分の中で整理して、それを企業の人たちとかファンサポーターに伝えられていることが強みだと思う。あとは元選手目線で、「こういったことをされたら嬉しい」「一緒にファンサポーターとこういうことができたら嬉しい」「こういった環境があったらまたこのチームで頑張りたいと思う」というような情報交換をクラブスタッフとできるのは強みかなと思います。