INTERVIEW

INTERVIEW
2023.06.11

【第二話】サッカー選手はもっと“外”に目を向ける必要がある

藤原 雅斗|株式会社ジープラス

PROFILE

藤原 雅斗|株式会社ジープラス masato_fujiwara(株式会社ジープラス)

大阪府出身。2017年に流通経済大学からザスパクサツ群馬へ加入。tonan前橋やアスルクラロ沼津への期限付き移籍を経て、2019年に現役を引退した。その後は、トラックドライバーや訪問販売会社の営業を経験し、現在は株式会社ジープラスで、ITエンジニア派遣の営業を行っている。

藤原 雅斗|株式会社ジープラス

PROFILE

藤原 雅斗|株式会社ジープラス masato_fujiwara(株式会社ジープラス)

大阪府出身。2017年に流通経済大学からザスパクサツ群馬へ加入。tonan前橋やアスルクラロ沼津への期限付き移籍を経て、2019年に現役を引退した。その後は、トラックドライバーや訪問販売会社の営業を経験し、現在は株式会社ジープラスで、ITエンジニア派遣の営業を行っている。

エンジニアを提案する営業として

―今度は会社について伺えますか?

社名は株式会社ジープラス。SES、エンジニア派遣をするような会社で、30名くらいのエンジニアが色んな勤務先に常駐して働いています。

―その中で営業をされていると

はい。システムエンジニアの仕事先を発掘しています。この業界は少し特殊で、僕たちはエンジニアを多く抱えている立場で、案件を多く持っている会社から声をかけていただいて、うちのエンジニアの仕事を決めていく感じです。1日に1000件以上のメールをいただくので、そこにどんどん当てはめていきます。

―案件を受注するときの決め手はあるのですか?

技術はもちろんですが、取引先も(エンジニアの)人柄を見たいので、そこを重視されています。この業界はコミュニケーションが苦手な人が多いですが、うちの会社は他社に比べれば、コミュニケーションが長けているエンジニアが多いと思いますね。

スポーツ選手とエンジニアの親和性

―サッカー選手は、コミュニケーション能力があり、それにプラス、努力をコツコツ積み重ねていけるのであれば、エンジニアに向いている人も多いのでは?

そうですね、サッカーだけに限らず、スポーツ選手は結構向いてると思いますね。一つのことに対し、頑張れる点もそうですし、コミュニケーション能力もあるので、かなり向いているかなと感じます。

―向き、不向きがあるにしろ、エンジニアとして最低限の技術を身に付けるのには、どれくらいの期間が必要だと思いますか?

プログラミングスクールや企業で研修してくれる所もあったりするので、平均3ヵ月ぐらいで、未経験からでも基礎的なことは身に付くんじゃないかと思います。

―それは、現役中にもできますよね?

そうですね。1日8時間ではなく、1日数時間でも良いですし、ちょっとずつであれば、全然問題なくできると思います。ただ、現状では少しの時間で対応してくれる場所は、聞いたことがないですね。

現役の間にできること

―ご自身でも、引退時に現在の姿は想像できなかったと思いますが、Jリーガーたちは、どのくらいキャリアを考えていると感じますか?

現役時代は時間がいっぱいあるんですけど、セカンドキャリアに向けては、みんなほぼなにもしてないとは思います。僕もPCとかを全然使えなかったので、社会人に向けての知識を少しでも良いので、蓄えておくべきだと感じますね。僕の場合は、人との巡り合わせで今がありますが、すべての人がそうなれるわけではないので。

―他にも、現役中にやるべきだと思うことはありますか?

PCもそうですし、どの企業に入るにしても面接があって、最近の気になるニュースを聞かれることは多かったですね。なので、TVで見て気になることがあれば、少し調べてみたりとか、そういうこともした方が良いかと思います。

―ただ、現実的にはなかなか動かないですよね?

そうですね。

―必要だと分かっていても動かない中で、どうしたらやろうと思えますか?

強制的でないとやらないと思うので、チームがセカンドキャリアに向けた研修などを採り入れていかないと難しいですよね。

人生の目標達成のために

―サッカー選手を続けることが目的だと、次に目を向けることが難しいと思いますが、人生をどう生きていきたいという視点を持てば、マインドも変わるのかなと感じています

はい。選手生命自体が短いので、何歳までこうなりたいと人生について考えていれば、必然的に動くようになったりするんじゃないかと思います。サッカーができる期間は短くて、その先のこと、なりたい人を考えて逆算していったら、今なにをしないといけないかわかるようになるんじゃないですかね。

―ただ、現状だと逆算するための材料もないと

そうですね。多分、なにをやりたいかということもないと思います。なので、サッカー選手のうちに、色々な職業にちょっとずつ触れられる、職業体験の機会があれば良いと感じますね。興味を持てば、どんどん調べたりもするので。話を聞くだけでは実感が湧かないので、1日だけでも体験するのが良いと思います。

―サッカー界から出ると体験の機会すらなくなってしまいますよね

はい。しかも企業側からしても、そういう選手が来てくれる会社なんだなって、PRにもつながる可能性があります。自分から発信して、行先を見つけるのは難しいかもしれませんが、興味がある選手は絶対に多いので、誘われたら行こうとなるんじゃないですかね。

―最後に、選手の平均引退年齢が25、6歳で、ちょうど藤原さんの引退時期にも重なります。当時の自分に、今の自分だったらどんなことを伝えますか?

さっきの話と重なりますが、セカンドキャリアに向けてもっと勉強をしておけというのが、本当に1番ですね。PC操作であったり言葉遣い。あとは、いろんな人と話すための基本的な知識は、学んでいく必要があると思います。それは、職業体験だけでなく、フロントの方と接することでも意味があるはずです。